写真の町東川賞—2018年新人作家賞

新人作家賞

第34回写真の町東川賞 新人作家賞

吉野英理香 YOSHINO Erika

埼玉県在住

受賞理由:写真集『NEROLI』(赤々舎、2016年)及び、「無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol. 14」展(東京都写真美術館、2017-18年)出品作に対して

1970年埼玉県本庄市生まれ。1989年から写真の制作を開始。1994年に東京綜合写真専門学校卒業。
 1990年代半ばから、街に集い、行き交う人々を至近距離から撮影し、緊張感のある構図でとらえたストリートスナップをモノクロプリントで発表。『MOLE UNIT No.7 猿人全快』(MOLE、1999年)を出版するほか、個展や海外でのグループ展に参加。
 2010年より、カラー作品の制作をはじめる。主に自身の生活圏で撮影された写真は、日々のなかにあるかけがえのない光や時間をとらえている。言葉になりにくい、風や匂いといった身体の記憶を喚起させるような独特の質感のある写真集『ラジオのように』(オシリス、2011年)、ビターオレンジの花から抽出されたオイルを意味する「NEROLI」の香が漂うような、濃縮されたイメージをとらえた『NEROLI』(赤々舎、2016年)、最新作を集めた『MARBLE』(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム、2018年)などを出版。瞬間の光を忘れがたいイメージに昇華させた作品は評価が高い。
 主な個展に、「NEROLI」(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム、2016年)、「MARBLE」(同上、2018年)、主なグループ展に「無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol. 14」(東京都写真美術館、2017-18年)がある。

作家の言葉

このたびは、栄誉ある賞を賜りまして、大変嬉しく思っております。
 みなさまに、心より御礼申し上げます。
 私は、日常の事物にひそむ美しいものを写真にしてみたいと思っています。
 偶然性や必然性に身を任せて撮影する方法は、私自身が見たかったものが印画紙に写し出されます。
 「Through The Looking - Glass, And What Alice Found There (鏡を通り抜けて、そしてアリスがそこで見つけたもの)」ルイス・キャロル著のように、私にとってもアリスと同じようにレンズを通り抜けて、光が結ぶイメージに魅了されつづけています。
 そこには、かけがえのない時間を閉じ込めた光の結晶が、写真としてもう一つの世界を形成します。
 こうした世界を見ることは、私にとって生きていく糧となっています。
 豊かな時間と、いくつもの喜びを与えてくれた写真に感謝いたします。

                                              吉野英理香

  • Untitled, 2011

    NEROLI
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

  • Untitled, 2013

    NEROLI
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

  • Untitled, 2013

    NEROLI
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

  • Untitled, 2010

    NEROLI
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

  • Untitled, 2016

    MARBLE
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

  • Untitled, 2016

    MARBLE
    Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
    Chromogenic Print

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